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彩球オーディオ倶楽部 第60回新春発表会 |
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穏やかに晴れ上がった1月21日(土)に、幸手市コミュニティセンターにて、彩球オーディオ倶楽部の第60回新春発表会が開催されました。今回は「自作スピーカシステムを楽しむ」というテーマで、4人の会員による5作品の発表がありました。新春発表会では、久喜総合文化会館のような大きな会場では発表しにくい小型システム、特にスピーカを中心に発表されます。今回も80人ほどのオーディオファンが会場に集まりました。 |
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会場となった幸手市コミュニティセンター |
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まず開会にあたり、樫村幸三会長のあいさつと2017年の執行役員となる樫村会長、上野氏、中澤氏の3名の紹介がありました。使用した機器はプログラムに掲載されておりますので、そちらをご覧ください。 |
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2017年の執行役員 左から中澤氏、樫村会長、上野氏 |
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第1部 作品発表 |
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第1部は会員が自作したスピーカシステムの発表です。事前に各作品の特性を小澤先生に計測していただき、解析した結果をグラフにまとめてステージ上のスクリーンに投影しました。 特性グラフからシステムの特性やエンクロージャ内の定存波の関係などを推定する方法について、小澤先生に解説していただきました。 投影したのは下記の四つの特性です。 ・スコーカまたはフルレンジの軸線上1mの音圧レベル ・位相特性 ・インピーダンス特性 ・バスレフポートでの音圧レベル 発表に用いた共通の課題曲は、MJ誌のMJ Technical
Disc Vol.6に収録されたTennessee
Ernie Ford の「Take Me Back
and Try Me One More Time」です。 |
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投影されたスピーカ特性グラフ 試聴に用いた813シングルパワーアンプ 18W |
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(1) 篠 義治氏 FE108-sol1本とFE125-W4本の2ウェイシステム |
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小澤先生設計のシステムで、小泉無線の試聴会で聴いたところ、すばらしい音だったので自作してみたそうです。期待通りの出来映えで完成し、自宅では7〜8割はこのシステムを使っているとのこと。能率が98db程度あり、真空管アンプによる駆動に最適です。業者に頼んで材料を切断してもらったので、とても美しく仕上がっています。 12cmフルレンジ4発にツイータが組み合わされた構成で、スピード感のある低域が十分に楽しめるシステムにまとめられていました。 |
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(2) 米沢 清氏 ロシアLOMO社「4A-32」12インチ15Ωフルレンジバスレフ型 |
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ロシアのロモ社の12インチダブルコーン・フルレンジユニットで、インピーダンスは15Ωです。このシステムも能率が98dBあるので、真空管アンプによる駆動に適しています。エンクロージャは15インチ用のバスレフタイプでJBL130Aをいれていたそうですが、いろいろなスピーカを入れて試したところ、このスピーカがいちばん合っているように思っているとのこと。ユニットを作った国の国民性か、「透明感のあるクールな音」という紹介が米沢氏からありました。 このユニットのほかにも、フルレンジスピーカを集めて楽しんでいるそうです。 |
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(3) 相沢 福太郎氏 韓国製30センチ同軸2ウェイ |
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JSP研究所のエンクロージャを使った、韓国製30cm同軸2ウェイシステムです。一般の30cmのユニットを使ったシステムに比べエンクロージャの容積が倍くらいあり、ダクトが長く後ろに長い長方形となっています。JSP方式は小さな口径で低い音が出せるのが特徴で、バスレフは40Hzが出るように調整したそうですが、投影された特性グラフを見ると、20Hzあたりまで十分に出ているようです。自宅では、普段からフルレンジスピーカを好んで使っているそうです。 |
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(4) 樫村 幸三会長 ヤマハ1000モニター Myオリジナル |
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ヤマハの1000モニターをベースに、自分の感性に合うように改造したシステムです。オリジナルは口径30cmのウーファを使った密閉型ですが、38cmのコーラル15L-70に変更し、エンクロージャとネットワークを新たに製作しました。ちなみに、自作ネットワークの調整には女性ボーカルを使っているとのこと。切々と訴える感情がストレートに伝わってきたら、後ろの演奏は右にならえでついてくるそうです。 |
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(5) 樫村幸三会長 ジェンセン励磁型 A12(30cm)ツインドライブシステム |
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フロントロードは一般的なエンクロージャに比べて製作する手間が3〜4倍かかりますが、定年退職して時間ができたので作成したそうです。背面をふさいでバスレフにしたところ、ジェンセンらしさがなくなったので、背面を40%ほど開放しています。そのため、バスレフポートは機能していません。ジェンセンはジャズ向きなので、スピーカに合うような中音域がたっぷりはいったジャズを選曲したそうです。 |
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第2部 関口英雄先生「ジャズ四方山話」 |
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第58回発表会の関口先生による講演がとても好評で、アンケートにも是非次回もという感想が多く寄せられました。そこで今回も、「ジャズに名曲なし、名演あるのみ」という視点で先生のコレクションから同曲異演の3タイトルを選び、聴き比べることになりました。前回同様アーティストのエピソードや時代背景などの解説もあり、約50分の講演があっという間に終わってしまいました。 6月18日に、県民活動センター主催で先生のLPコンサートも開催される予定です。3月から募集が始まるとのことなので、興味のある方は参加してはいかがでしょうか。 |
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第3部 小澤隆久先生による「小型スピーカの設計と解説」 |
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新年会の恒例となった小型スピーカシステムに関する講演です。前半はスピーカの能率ついてのお話でした。ユニット単体の能率と密閉箱やバスレフ、バックロードホーンに組んだときの能率の違いについて解説していただきました。 後半はMJ誌2月号に掲載されたシステムの試聴です。口径20cmのフォステクスFW208HSとFT48Dツィータを使った、42リットル2ウェイバスレフの新作システムの試聴です。ネットワークに24dB 4次の急峻な減衰特性を持ったものを使い、4kHz付近にあるFW208HSのピークが影響しないようにしているそうです。MJ誌に掲載されたシステムを実際に試聴できるのも、作品発表会の醍醐味です。 |
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第4部 ネットワーク研究 中澤雅生氏 |
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リサイクルショップで購入した山水製の3ウェイシステムSP-150を使い、同じ回路定数で「オイルコンデンサ+鉄芯コイル」と「フィルムコンデンサ+空芯コイル」のネットワークを試作して、音色の違いを聴き比べました。ふたつのネットワークのインピーダンス特性と音圧レベルがほぼ等しくなるように、事前に小澤先生に調整と確認をしていただいています。ちなみに、インピーダンス特性はほぼ一致、音圧レベルの差は0.5dB以内となっています。 試聴のあと、どちらのネットワークが好みか、会場の参加者に挙手をしてもらいきいてみましたが、3分の2の方が「フィルムコンデンサ+空芯コイル」が好みとの回答を得ました。どうやら、音色に違いがあるようです。 |
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試聴に用いたネットワーク |
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懇親会 |
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無事発表会も終了し、会場を同じ建物内にある和室に移して懇親会の始まりです。レストラン・ヴィラージュから料理をケータリングしてもらい、美味しいお酒と料理を堪能しました。彩球オーディオ倶楽部の懇親会では、受付にお酒を飲まない旨を申告すると、名札に赤いシールが貼られます。赤いシールの名札の人には、お酒を勧めてはいけないルールになっています。帰るときにこの名札を返却すると、500円がキャッシュバックされるのですよ。 部屋のあちこちでは、ローカルに開催される試聴会や今年の製作計画を話し合う会員のサークルができていました。 |
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次回の発表会は5月20日(土)の第61回記念イベントとなります。会場はいつもの久喜総合文化会館小ホールです。ジャズのビッグバンドの生演奏も予定されていますので、また大いに盛り上がりましょう。 |
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