彩球オーディオ倶楽部

 

57回発表会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016130日(土)に、埼玉県幸手市にある幸手市コミュニティーセンターにて、彩球オーディオ倶楽部の第57回発表会が開催されました。数日前には埼玉県にも雪が降り、肌寒い休日となりましたが、会場には関東近県から約120名のオーディオファンが集まりました。

今回のテーマは「4ウェイマルチを楽しむ」ということで、これまでのネットワークシステム中心だった当倶楽部の発表会とはひと味違ったイベントとなりました。

 

 

 

 

 

 

開会までに用意した100名分の座席が満席となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

樫村会長の開会のあいさつのあと、執行役員の紹介がありました。今年は吉田副会長、野中氏、五十嵐氏の三名が執行役員として作品発表会の企画を担当します。

 

 

 

 

 

 

左から吉田副会長、五十嵐氏、野中氏

 

 

 

 

 

 

 

 一粒で二度も三度も美味しい彩球オーディオ倶楽部の発表会ですが、今回も下記のような多彩な内容となりました。

 

1部 野中芳郎氏 デジタルプロセッサを使用した

4ウェイマルチシステムの試聴、

2部 新忠篤先生 ポータブルDSDプレーヤーによる

    LPレコードのネイティヴ再生

3部 小澤隆久先生 同一ユニットを複数使った

    高能率スピーカーの設計方法

 

 

 

 

 

 

左から小澤先生、新先生、野中氏

 

 

 

 

 

 

 

 

第1部 デジタルプロセッサ使用 4ウェイマルチシステム

 

 

 

 

1部は野中芳郎氏による4ウェイマルチシステムの試聴です。デジタルプロセッサで帯域を144Hz以下、144800Hz8006.4kHz6.4kHz以上に分割し、ハイパワーの半導体アンプで4ウェイマルチシステムを駆動しています。シャープな音を目指したとあって、鋭い立ち上がりと驚異のワイドレンジが特徴です。ムソルグスキーの「キエフの大門」のような大編成のオーケストラの演奏に威力を発揮するのは当然ですが、リストのピアノソナタでもピアノを切れのある自然な音で再生していました。雄大なパパロッティのカルーソーも忘れることができません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左:4ウェイマルチシステムのスピーカー

  上からBMS4592ND同軸ドライバー(2㌅と4 ㌅のポリエステル振動板をリング状に配置)

     TADTM-1201 30cmミッドバスユニット

     FostexCW250A メインアンプ内蔵サブウーファーシステム2

右:試聴に用いたデジタルプロセッサ2台とステレオメインアンプ4

上がDBX Driverack 260 デジタルプロセッサ

  下2台がCrown D45 メインアンプ

 

 

 

 

 

 

 4ウェイマルチを堪能したあと、LCネットワークシステムに切り替えて、その違いを比較しました。西堀氏の設計・製作によるLCネットワークは4ウェイマルチシステムのデジタルプロセッサの周波数特性にほぼ一致させているので、スピーカーの駆動方式の違いの試聴です。

 

 立ち上がりが鋭いマルチシステムに比べ、ネットワークシステムは立ち上がりが緩やかになり、優しい音になりました。そのせいか、LCネットワークの音は低域と高域が緩やかに下がったカマボコ型の自然な特性のように感じます。音を文字で表現するのはとても難しいのですが、たとえて言うならば、コントラストが強く輪郭がはっきりしたマルチシステムはアーティストの演奏をそのまま写し取った写真、対照的にLCネットワークはアーティストの音楽的表現や心を淡い色調で描いた印象画といった趣です。

 

 

 

 

 

 

西堀氏が製作したLCネットワーク

 

 

 

 

 

 

 

 

第2部 ポータブルDSDプレーヤーによるLPレコードのネイテヴ再生

 

 

 

 

 第2部は、管球王国誌でおなじみの新忠篤先生によるポータブルDSDプレーヤーを使ったLPレコード音源の再生です。コルグ社のMR-1000を使って著作権の切れたLPレコードをマイクロSDに録音し、ONKYO製のDAC-HA300 ポータブルプレーヤーを使って再生しました。MR-1000には5種類のイコライザが内蔵されており、SPからLPまで最適なイコライザを選択することができます。

試聴に使うソースが5.6MHzサンプリングで録音してあるのでDSD規格の2.8MHzサンプリングで再生することも可能ですが、今回は音場の再現性を重視し5.6MHzでそのまま再生していただきました。技術的な解説が管球王国誌79号に掲載されていますので、興味のある方はこちらもご覧ください。

 

浅野先生や池田先生の思い出話や日本コロンビアでの録音技師時代のお話も興味深く、よき時代の音楽をじっくり堪能しました。

 

 

 

 

 

 

 

試聴に用いたGIP4189 20cmフルレンジと、同じくGIP597A励磁型トゥイーター

 

 

 

 

 

 

試聴に用いたパワーアンプ Phillips E80L PP6W x2

 

 

 

 

 

 

 

 

第3部 同一ユニットを複数使った高能率スピーカーの設計法と

    10cm16発スピーカーの試聴

 

 

 

 

本日最後のコーナーは、小澤隆久先生の10cmユニットを16個使ったスピーカーシステムの試聴です。サン・オーディオから真空管オーディオフェアで用いるスピーカーシステムの依頼があったので、ALTEC 604同軸型スピーカーをイメージして製作したそうです。約100dBの高能率を誇り、出力8Wのアンプでも十分な音量で音楽を楽しむことができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

左:上段はFostex FE206En 20cmフルレンジユニット。

下段はFostex P1000K16個使ったシステム。中心にあるのはFT17H

右:試聴に用いたサン・オーディオ製SV-50TMS 50パラシングルモノーラルアンプ。

近日発売予定。

 

 

 

 

 

 

 スピーカーユニットの数を2倍にすると理論上3dBづつ能率が高くなるので、16個使えば能率は12dB高くなります。能率88dB P1000K16個使えば、100dBのスピーカーシステムになるというのが基本コンセプトです。各ユニットの振動板の位置と位相が合っているのでタイムアライメントもとれており、ダイレクトラジエター方式のスピーカーの特長である「素直な音」となりました。ただしP1000Kだけでは40cmクラスのユニットのような特性なので、FF206EnFT17Hを使ってフラットな特性になるように補正しています。

 

6畳間程度のリスニングルームを想定してP1000Kを選択したので、大きなリスニングルームで使う場合はFF105WKもしくはFF125WKを使用すればよいとのこと。ちなみに、振動板がリニアに動く範囲はP1000Kの場合約5mmですが、FF105WKFF125WKを使えば約10mmとれるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

新年会

 

 

 

 

無事に発表会も終わり、いよいよお楽しみの新年会です。5月と10月に開催される発表会の懇親会は立食パーティですが、新年会はお座敷スタイルです。定年退職された会員の中には、現役時代の会社の宴会のようで懐かしいという方もいらっしゃいました。今年の計画や新しいシステムの購入など、新しい方も3名加わり、夜が更けるまでオーディオ談義に花が咲きました。

 

 次回の第58回作品発表会は514()となります。会場は久喜総合文化会館小ホールです。またオーディオでおおいに盛り上がりましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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