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彩球オーディオ倶楽部 第53回作品発表会 |
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澄み切った青空が広がる2014年10月25日(土)に、埼玉県久喜市の久喜総合文化会館小ホールにて、彩球オーディオ倶楽部の第53回作品発表会が開催されました。今回は「PCオーディオを学ぼう!」というテーマで講演会などもあり、関東近県のみならず福井県や福岡県など、日本中から250名ほどのオーディオファンが集まりました。 まず、樫村会長より開会のあいさつがあり、次いで富山クラフトオーディオの町野会長による来賓のあいさつ、そして司会の西堀氏より使用機器の説明がありました。 使用機器のリストはプログラムに記載されていますのでご覧ください。 |
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彩球オーディオ倶楽部の樫村会長 富山クラフトオーディオの町野会長 |
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今回の発表会は、第1部が会員5名の作品発表、第2部がPCオーディオに関する講演会、第3部がLPレコードの試聴という構成で行われました。また会場のロビーでは、パーツや中古オーディオセット、CDなどのバザーもありました。 |
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第1部 作品発表 |
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42 シングルアンプ 3W 林正浩氏 第1部のトップバッターは林氏の42シングルです。ドライバ管のC3gのプレート電源を出力トランスのSG端子から取った負帰還回路を採用しています。当初42をUL接続としていたそうですが、発表会に出品するため五極管接続として出力の増強を図ったそうです。 中音域が充実しており、暖かく包みこむようにテーマ曲を表現しました。また若い方らしいJ-POPやゲームのサウンドトラックなど、一味違った選曲でした。 |
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林氏の42シングルアンプ |
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3C24 シングルアンプ 4W 小野伸一氏 二番手は、トリタンフィラメントが煌々と輝く小野氏の3C24シングルです。チムニー管といって、ガラスの筒の中に設置された出力管の熱による上昇気流で冷却します。発表直前に更なる改良を加え、最大プレート損失の80%で安定して最大出力4Wが得られるようにしたとの説明もありました。 送信管特有のレンジが広く爽やかなサウンドで、ザ・マンハッタン・トランスファーのホワイトクリスマスを表現しました。また、綾戸智恵のドゥ・イット・アゲインでは、弾けるようなパーカッションを披露してくれました。 |
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小野氏の3C24シングルアンプ |
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EL156 シングルアンプ 10W 高久悦男氏 三番手は、高久氏のEL156シングルです。「管球王国」誌に掲載された大西正隆氏の回路を、入手可能な部品を使って作成したそうです。12AU7による直結2段増幅のあと、12AU7のカソードフォロワでEL156をドライブしています。オーバーオールで約10dB、また出力管のカソードを介して約10dBの負帰還をかけているそうです。 今田勝トリオのシャドウ・イン・スウィングではステージの奥行感が再現されており、リアルで楽しいサウンドが会場いっぱいに響きました。またパッフェルベルのカノンでは、力強く古楽器を表現していました。レオン・ラッセル・カーペンターズの「ア・ソング・フォー・ユー」での力強いドラムスもみごとでした。 |
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高久氏のEL156シングルアンプ |
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811A シングルアンプ 12W 五十嵐昭氏 四番手は、重厚な欅の板をくりぬいたシャーシが特徴の、五十嵐氏の811Aシングルアンプです。放熱とハム対策に悪戦苦闘したそうですが、美しいアンプに仕上がりました。WE-396で初段増幅後、6BX7のカソードフォロワで大型三極管811Aをドライブしています。 持ち時間の中で、ナット・キング・コール、ジュリー・ロンドン、ジョニー・ジェームスの「ラブレター」の聴き比べを行いました。アメリカが輝いていた頃の歌声を、中域が充実した伸びのあるサウンドで表現しました。モーツワルトの「フルートとハープのための協奏曲」での、滑らかなフルートと艶やかなハープの響きも忘れることができません。 |
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五十嵐氏の811Aシングルアンプ |
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300B プッシュプルアンプ 17W 小野寺邦彦氏 第1部の最後は、小野寺氏の300Bプッシュプルです。出品作品はオーディオ専科のPROFESSOR-4で、初めて作成した真空管アンプキットだそうです。ECC84のSRPPの初段をE180CCのムラード型反転回路で受けて300Bをドライブしています。力強く、かつ300B特有のくせのない爽やかなサウンドが特長です。 木住野佳子の「極楽鳥」では、ステージ上の楽器が立体感をもって再現されていました。また、いつもご自分のシステムのチェックにも使われているというジョーサンプルの「虹の楽園」では、力強いタッチのピアノが印象的でした。MJQのWalkin’では、高らかに響くトランペットを見事に表現しました。 |
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第2部 講演「PCデジタルオーディオの現状と将来」 |
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第2部は、多くの雑誌や著書でおなじみの村井裕弥氏の講演です。「PCデジタルオーディオの現状と将来」というテーマで、最近急速に普及しつつあるPCオーディオとネットワークオーディオを、デジタルオーディオの歴史とともに解説していただきました。アナログオーディオ派が多い彩球オーディオ倶楽部のメンバーには未知の領域ともいえる分野ですが、オーディオの世界は将来どのように広がっていくのか、みな真剣に講演を聞いていました。 |
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協賛企業である今井商事様より、マイテック・デジタル社製DAコンバータの最新モデルManhattanを使って、CDスペック、SACDスペック、ハイレゾの違いを聴き比べる実演(試聴)もありました。個人的な感想ですが、サンプリング周波数とデータのビット数が上がるにつれ、音が柔らかくなり立体感が増していくように感じました。 |
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PCオーディオの操作風景 マイテック・デジタル社製のDAコンバータManhattan |
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第3部 LP Time |
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第3部は、銘盤・名演奏を楽しむLPタイムの時間です。 今回は東芝EMIの技術責任者であった原氏よりお借りした、ラッカー盤(LPレコードの原盤)、45回転盤、ダイレクトカット盤の3枚のLPレコードの演奏がありました。 |
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1曲目は長淵剛の「HUNGRY」のラッカー盤です。当然ながらスクラッチノイズは全くありません。まるでステージで歌っているようなリアルでパンチのきいたサウンドが、会場いっぱいに広がりました。 2曲目はカラヤン指揮ウィーンフィルとウィーン国立歌劇場合唱団による「アイーダ」の凱旋の場です。45回転盤ならではの、緻密なサウンドです。大編成の合唱団と迫力ある演奏に圧倒されました。もちろん高らかに鳴り響くトランペットにも拍手喝采です。 3曲目はCharlie Byrdの「Moliendo Cafe」です。こちらは45回転のダイレクトカット盤です。1977年の録音とのことでが、生演奏のようなみずみずしい音にびっくりしました。 最後に樫村会長による閉会のあいさつがあり、プログラムどおり無事に作品発表会が終了しました。 |
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懇親会 |
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作品発表会のあとは、いつものレストラン「ヴィラージュ」を借り切っての懇親会です。懇親会に参加される方もしだいに増え、今回は約50名の方が集まりました。 樫村会長より作品発表者とスタッフへのねぎらいのあいさつがあり、新しく懇親会に参加された3名の方の紹介がありました。そして乾杯。あとはおいしい料理を食べ、ワインやビールを飲みながら、オーディオ談義の始まりです。会場のあちこちでローカルに催される試聴会の相談やオーディオシステムのノウハウの披露など、楽しい会話で盛り上がっていました。 |
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お酒もまわり会話も一段落したところで、ジャズのライブ演奏の始まりです。第50回発表会で好評だったビッグバンド「ドリーム・スウィング・キングダム」の選抜メンバーをお呼びし、迫力の演奏を楽しみました。 自分のオーディオルームと同じようなリスニングポジションで生演奏が聴けるという彩球オーディオ倶楽部ならではのライブです。休憩をはさんで約2時間、リクエストにも応じていただき、たっぷりジャズを楽しみました。 |
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ドリームスィングキングダムの選抜メンバーによる迫力のジャズライブ |
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次回は2015年の新年会です。またオーディオで楽しく盛り上がりましょう。 |
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