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彩球オーディオ倶楽部 第51回発表会新年会
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2014年2月1日(土)に、埼玉県幸手市にある幸手市コミュニティセンターのホールにて、彩球オーディオ倶楽部の第51回発表会が開催されました。新年の発表会はスピーカに関する発表が多いのですが、今回は「チャンデバ VS LCネットワーク」という新しいテーマで、マルチアンプシステムとネットワークシステムの魅力を探る催しとなりました。 当日は真冬とは思えない暖かな日差しに恵まれ、150人ほどのオーディオファンが集まり、活気あふれる発表会となりました。 |
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樫村会長の新年のあいさつに続き、今年1年執行役員として企画を担当する上田氏、西堀氏、小櫃氏が紹介されました。次いで使用する機器について、総合司会の西堀氏から説明がありました。 今回は会員の作品発表やバザー等はなく、マルチアンプシステムの実験とMJ誌の執筆者である小澤先生の講義など、イベントが中心の発表会となりました。 |
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第1部 3チャンネルマルチアンプシステムと 3ウェイLCネットワークシステムの聴き比べ(その1) |
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試聴にはBEHRINGER DCX2496というデジタル式のチャンネルデバイダを使用しました。通販を使うと3万円程度で購入できるそうですが、価格の割に多くの機能を搭載しています。 第1部では、デバイダのクロス周波数を任意に設定する機能と、ウーファの電気信号にディレイ(時間的な遅れ)を入れてホーンドライバの振動部との位置を疑似的に合わせる(信号の位相を合わせる)機能が、聴感にどのような影響を与えるかを実験しました。 |
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試聴に用いたチャンネルデバイダ BEHRINGER DCX2496 |
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最初はディレイを入れず、ウーファーとホーンドライバの振動部との位置の補正をしない(位相を合わせない)という条件で試聴しました。クロス周波数は650Hzと7.5kHz、減衰率はともに24dB/octです。次にウファーとホーンドライバの位置補正をおこなうようにウーファーの信号に1.3mSecのディレイを入れ、同じ曲を試聴しました。試聴に使ったのは、モーツワルトのピアノ協奏曲とダイアナクラールのボーカルです。(演奏曲の詳しい情報は、演奏曲目リストをご覧ください。) ディレイの効果を文章で表現するのは難しく、かつ個人的な感想となりますが、「写真撮影」を例にすると、ディレイはカメラのピントのようなものと感じました。ディレイを入れてウーファとホーンドライバの位相を合わせると、ステージ上に奥行感が出て楽器の位置が感じ取れるようになります。ボーカルも音像がステージ上ではっきり感じ取れるようになりました。 |
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チャンネルデバイダにパソコンを接続すると、複雑な設定を簡単に行うことができます。 |
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第2部 3チャンネルマルチアンプシステムと 3ウェイLCネットワークシステムの聴き比べ(その2) |
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第2部では、マルチアンプシステムとLCネットワークシステムの音の違いを比較試聴しました。各スピーカの入力にマルチアンプシステムとLCネットワークシステムを切り替えるスイッチを取り付けているので、1曲ごとにシステムを切り替えて試聴できます。 チャンネルデバイダは、ディレイ機能あり、クロス周波数を650Hzと7.5kHz、(それぞれ減衰率は24dB/oct)という設定です。一方LCネットワークの設定は、クロス周波数が800Hz(減衰率12dB/oct)と8kHz(減衰率12dB/oct)となっています。 |
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ウーファ駆動用EL156pp 50Wアンプ (上田氏製作) モノーラル2台構成 スコーカ駆動用EL156s 12Wアンプ (上田氏製作) ツイータ駆動用9RA6 para-pp 12Wアンプ (西堀氏製作) |
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試聴の結果を個人的な感想として述べると、両者の違いは「写真撮影」でいうところのコントラストや色調のようなものと感じました。マルチアンプシステムの音はコントラストが強く躍動感があり、演奏の迫力や熱気が伝わってきます。それとは対照的に、LCネットワークシステムの音は淡い色彩の印象派の絵のようで、聴き疲れしない音といった感じでした。 マルチアンプシステムとLCネットワークシステムがスイッチで切り替えられ、異なる音楽表現が簡単に楽しめるしくみにも興味を持ちました。 |
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LCネットワーク用EL156pp 50Wアンプ (西堀氏製作) モノーラル2台構成
試聴に用いたスピーカシステム
ファインメットコアと大型オイルコンデンサを用いたLCネットワークシステム (西堀氏製作) |
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第3部 小澤先生の講演 |
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MJ誌に連載中の「小型スピーカの設計と製作」でおなじみの小澤隆久先生に、「マルチウェイスピーカーシステム構築」と「10cmフルレンジスピーカーシステムの解説と試聴」というテーマで講演していただきました。 これまでマルチウェイシステムを構築する上で議論されてきた音圧周波数特性に加え、各パートの位相周波数特性の重要性にも着目し、システム構築のテクニックを講義していただきました。現在は高性能な測定器が比較的安価に入手できるため、個人でも周波数特性と位相特性を測定してシステムの最適化を図ることができるようになりました。 |
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マルチウェイシステムの構築ノウハウについて講演する小澤先生 |
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講演中に試聴した先生製作のフルレンジスピーカーは、MJ誌2014年1月号と2月号に掲載されたシステムで、マークオーディオ製の口径13cmのユニットを用いたものです。コンパクトなブックシェルフ型キャビネットにもかかわらず、口径30cmのユニットに匹敵する豊かな低音が出てきたのには驚きました。弦の響きも美しく、入力に対して振動部がリニアに動くというマークオーディオのユニットの特長がよくでているそうです。 スピーカーユニットの価格は1本18,000円。キャビネットはコンパネの2枚張りで、ターミナルと吸音材を含めても3,000円程度と、手軽に製作することができます。 |
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マークオーディオの13cmユニットを用いたフルレンジシステム |
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第4部 LP Time |
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LPレコードをこよなく愛する執行役員によって、2014年に開催される発表会では、LPレコードの銘盤を試聴するコーナーを設けることになりました。今回は、初期のステレオ録音盤を北越谷にある音楽カフェ「ブロッサム」様よりお借りし、ジャズとクラシックを4曲試聴することになりました。 試聴したLPの中には、当倶楽部の会員が録音に携わったものがあるとの紹介もあり、完璧な状態で保存されたアナログオーディオ華やかしき時代の音を、参加者一同じっくり堪能しました。 |
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懇親会(新年会) |
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無事発表会も終わり、会場をコミュニティセンター付属の和室に移して懇親会の始まりです。久喜での開催でお世話になっているレストラン「ヴィラージュ」から運び込まれた料理とワインを楽しみながら、オーディオ談義に花が咲きました。 現役を引退して久しい会員から「座敷での宴会は懐かしいなぁ〜。」との声もあり、部品やシステムの情報交換や今年の予定など、楽しい時間を過ごしました。 さて、次回の第52回作品発表会は4月26日(土)に久喜総合文化会館で開催されます。次回は、会員の作品発表を中心に楽しいイベントが計画されています。 またオーディオで大いに盛り上がりましょう。 |
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中澤 取材 |
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