彩球オーディオ倶楽部

46回作品発表会

 

 

 

 

 

 

 

 例年より1ヶ月早い開催となりましたが、2012年4月21日(土)に久喜総合文化会館にて、彩球オーディオ倶楽部の第46回作品発表会が開催されました。当日は天候にも恵まれ、160名を越えるオーディオファンが会場に集まりました。今回も会員自作のアンプ6作品の発表、(株)トライオード様による845ドライブ・845パラシングルパワーアンプのデモンストレーション、三種類のMCトランスの試聴と、盛りだくさんの内容となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1部 作品発表

 

 アンプの製作者は25分の持ち時間の中で、始めに課題曲を約2分間演奏し、その後持参した自由曲を数曲演奏するという形で進めました。課題曲はアートペッパーの「You'd be so nice come home to」です。

 

 

 

 

 

(1) PT-15 三結シングル 5W 照内篤氏

 

 トップバッターは、照内氏のマルチコンパチブルアンプです。PT-15を三結にして950VのB電圧をかけ、シングルで5Wを得ています。このアンプのB電源の回路は、いったん半波整流で750Vを出力し、球が安定したところで950Vに昇圧しているそうです。スピード感のある力強い音色が特徴で、課題曲ではサクスフォンが力強くステージの前に出てくるような印象でした。また自由曲で演奏したウィリーネルソンの「For Heaven's sake」では、ギターの響きを情感豊かに表現していました。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

(2) MQ60改造全段差動全段直結アンプ 7W 芥孝博氏

 

 高価な結合コンデンサを使わない直結方式で、広がり感のある差動回路を構成しています。球に負担をかけないように余裕を持った設計にしているそうです。低域から中域にかけての密度の高い音が特徴で、課題曲のベースを力強く表現しました。また自由曲で演奏したヨーヨマの「ソング・オブ・ザ・リバティ・ベル」では、観客を包み込むような美しいチェロの響きが印象的でした。中域が充実しているので、平原綾香の「Love Never Dies」もとてもリアルに表現されていました。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

(3) VT-62 プッシュプル 10W 福嶋猛夫氏

 

 木製のシャーシの上で、VT-62が煌々と輝く素敵なアンプです。専用の台も付属しており、福嶋氏の木への愛着とこだわりが感じられます。高域から低域までバランスよく出ており、かつ楽器の定位がしっかり取れているので、課題曲ではステージの雰囲気がよく再現されていました。またニニ・ロッソの「水曜の夜」では、さわやかなトランペットが会場いっぱいに広がりました。まさに無帰還アンプの醍醐味といったところです。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

(4) 211 シングル 10W 原口明氏

 

 格安で購入した211と、ジャンク箱や友人から譲ってもらった部品で製作したそうですが、低域から高域までのバランスが良く、かつ中音域の密度が高いアンプに仕上がっています。フィラメント用電源トランスも、211用に自作したとのこと。苦労の甲斐あって、送信管特有の透明感の高い、さわやかな音色で課題曲を演奏しました。また自由曲では、ケニー・バロンの「On the sunny side of the street」を明るく軽やかに演奏しました。しっとりと感情豊かに表現した木住野圭子の「Danny Boy」も、忘れることができません。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

(5) GU50 プッシュプル 20W 武石章氏

 

 秋葉原の部品屋さんをまわるたびに買い集めた旧ソ連製真空管GU50で、プッシュプルアンプを製作しました。この球はスクリーンの許容電圧が低いため、プレート電圧を410V、スクリーン電圧を210Vとした五極管接続にしているそうです。課題曲のサクスフォンを、力強く、かつスピード感あふれる音色で表現しました。自由曲で演奏したモーツワルトのファゴット協奏曲やショパンの夜想曲なども、透明感の高い音で伸々と演奏していました。特に、ロッシーニの弦楽ソナタ第1番で披露した美しい弦の響きは印象的でした。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

(6) 金田式半導体差動出力アンプ 50W 山下裕氏

 

 アンプ製作は初めてとのことですが、どうせ作るなら大きいものをということで金田式アンプに挑戦したそうです。調整ではFETを飛ばしたこともあったそうですが、3年かけた甲斐があり、すばらしいアンプに仕上がりました。課題曲をパンチ力のあるキレの良いサウンドで表現したかと思うと、自由曲の「三角ぼうし」では半導体アンプとは思えない柔らかな音色を披露しました。音の解像度が高く、「三角ぼうし」の終幕の踊りでは、舞台を舞う色鮮やかな踊り手たちが目に浮かぶようでした。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

協賛企業による製品デモンストレーション

 

 (株)トライオードの山崎社長より、同社の新製品である845ドライブ845パラシングルアンプのデモンストレーションがありました。このアンプはモノーラル2台の構成となっており、並列接続した845を860V60mAでA級動作させています。終段を211にすることも可能で、差し替え用の211も付属しているとのこと。低音域をいかに美しく鳴らすかが、このアンプの設計のポイントになったそうです。

 弦の響きがとても美しく、かつエネルギッシュな音色です。ビバルディの「四季」で演奏したチェンバロとバロックバイオリンが、とても印象的でした。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

2部 MC昇圧トランスの魅力を探る

 

 これまで当会では、MCカートリッジやイコライザアンプを聴き比べ、その音楽表現力や個性の違いを楽しんできました。今回はいよいよMC昇圧トランスの登場です。用意したMCトランスは、ヴィンテージ品の代表としてウェスタンエレクトリック製のD-163648、メーカー品の代表としてトライアッド製のHS-1、そして会員の手づくり品であるスーパーパーマロイ78の大型L形コアを使用した自作トランスです。三種類のトランスを使って、ジャズとクラシックをブラインドで演奏し、自分の好みを選んでもらう形で試聴しました。カートリッジはデノン製DL-103です。

 

 試聴を始める前に、日常的にLPレコードを聴いている人がどれだけいるか、会場の参加者に挙手してもらいました。世の中はCDからネットによるダウンロードへと音楽配信技術が進んでいるようですが、意外なことに半数以上の人が、今でもLPレコードを使って音楽を楽しんでいることがわかりました。

 

 

 

 

 

試聴に用いたMC昇圧トランス

右からウエスタンエレクトリックD-163648、トライアッドHS-1、信号切り替えボックス、

そして左端が会員自作トランス

 

 

 

 

 

 

 さて、始めはジーン・クリスティの「Something cool」とソニー・クラークの「Cool struttin’」を使ってジャズの試聴です。再び挙手によって会場の参加者の好みを調べたところ、ウエスタンエレクトリック、トライアッド、会員自作の順に好みの人が多いという結果が出ました。

 

 次にシベリウスの交響曲第2番とドボルザークの新世界を使って、クラシックの試聴を行いました。こんどは、会員自作、トライアッド、ウェスタンエレクトリックの順に好みの人が多いという結果となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

懇親会

 

 作品発表会も無事に終了し、会場をレストラン・ヴィラージュに移して懇親会が始まりました。今回も40人を越える参加者がありました。美味しい料理とワインを楽しみながら、仲間たちとのオーディオ談義に花がさきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MJ誌のライターである柳沢先生も懇親会に参加していただき、作品発表会の感想などもお聞きすることができました。ほとんどの参加者が帰ったあとも、残った会員と先生は、夜がふけるまでアマチュアオーディオについて語り合っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回は10月27日(土)に久喜総合文化会館での開催となります。みなさん、またオーディオでおおいに盛り上がりましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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