彩球オーディオ倶楽部 第42回作品発表会

自作小型スピーカの魅力を探る

 

 

 

 

 

2011年1月29日(土)に埼玉県春日部市にて、彩球オーディオ倶楽部の第42回作品発表会が開催されました。会場となった料亭大榎には、関東近県より約100名のオーディオファンが集まりました。今回は「小型自作スピーカーの魅力を探る」というテーマで、第1部が会員が作成した小型スピーカーの試聴、第2部が「MJ無線と実験」誌のライターである小澤先生の小型スピーカー自作に関する技術セミナー、弟3部が2トラック38センチテープデッキを使った音楽演奏の3部構成で行われました。

 

 

 

 

 

 

 

 樫村会長の開会の挨拶のあと、今年の執行役員に選ばれた香川氏、配島氏、嶋田氏の紹介がありました。また、今回使用する機器の紹介もありました。

 

 

 

 

    

樫村会長                   本年度の執行役。

左から香川氏、配島氏、嶋田氏。

 

 

 

 

使用機器

CDプレーヤ : CDC TL-51 (サンバレー製2Tube D/A converter)

            DENON 1650 (予備機)

テープデッキ : STUDER C37

          TELEFUNKEN magnetphon A15

            TEAC A7400-2T

            AKAI GX-6300PRO

 プリアンプ   : 会員自作

 パワーアンプ : 会員自作 VV-300B シングル

 スピーカ    : 第1部 会員自作小型スピーカシステム

第3部 ツイータ JBL-07

スコーカ JBL-LE85+コーラルAH-502ホーン

ウファ   Jensen A12 (励磁型)

サブウーファ RAMSA/Panasonic 416

ネットワーク 会員自作

 

 

 

 

第1部 小型自作スピーカーの試聴

 第1部は小型の自作スピーカの試聴です。口径8cmから20cmのスピーカーユニットをつかったシステムが5機種そろいました。試聴は、テーマ曲である夏川リミの「涙そうそう」を2分間演奏したあと、製作者の選んだ曲を持ち時間いっぱい演奏するという形で試聴しました。また、各作品の最後の曲をサブウーファを使った3D方式で演奏し、通常の2Dと3Dの違いも楽しみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

山下氏 フォステクス FF-85K 2Way

 最初の作品は、口径8cmのフォステクスFF-85Kを片側に4個使ったシステムです。縦に4個並んだスピーカーユニットの前面がゆるやかに弧を描いたホーン状になっており、正面下方にバスレフの穴が二つ開いています。キャビネット上部のツィータは、1マイクロファーラッドのフィルムコンデンサで低域をカットして接続しているそうです。

テーマ曲の夏川リミの透き通るような声が印象的でした。バスレフ構造にしたため低音が甘めになったと山下氏はおっしゃっていましたが、木目を生かしたシックな外観によく合い、いい方向に作用しています。NHKの大河ドラマ「篤姫」のテーマ曲も雄大に演奏しました。

 

 

 

 

山下氏 フォステクス FF-85K

 

 

 

 

布施氏 ダイヤトーン P-610DA+TW-503 2Way

 まず驚くのは、ダイヤトーン2S-305のミニチュア版というキャビネットの完成度の高さです。側面のコーナーを、カンナとサンダーを使って2時間かけて削り出したという力作です。インピーダンス16ΩのP610-DAは、リサイクルショップで1本500円の超格安価格で購入したそうです。

中音域に重心がある音で、テーマ曲の夏川リミの甘い歌声が会場に響きました。ウィスキーグラスを傾けながら、ゆったりジャズを楽しむのにぴったりのスピーカーです。

 

 

 

 

布施氏のダイヤトーン ミニ2S-305

 

 

 

石風氏 ローサー PM6

 ヒノ・オーディオのキャビネットに、口径16cmのダブルコーンのローサーPM6を入れた作品です。購入したときローサーのエッジはボロボロだったそうですが、業者に修理してもらい、高音域から低音域までバランスよく出るようになりました。

鈴木祥子の「すずかけの道」、ステイシー・ケントの「More than you know」などを、立ち上がりよく軽やかな音で演奏しました。クラリネットやギター、ピアノなども、とてもよくスウィングしていました。

 

 

 

 

   

 石風氏のローサーPM6      (右はネットを外した状態)

 

 

 

 

五十嵐氏 アルテック 409−8E 2Way同軸フルレンジ

 テレビ鑑賞用にと、奥様にプレゼントされたスピーカーだそうです。口径20cmの同軸2ウェイのユニットは98dBと能率が高く、夏川リミの「涙そうそう」やコニーレルソンの「I'm enough about you」を、線が太く力強い音で表現しました。写真では密閉箱のように見えますが、キャビネットの背面にバスレフのポートを持っています。できたての頃はいい音がしなかったのですが、キャビネットの塗装が乾くにつれて、しっかりとした味のある音に変わっていったそうです。

 

 

 

 

五十嵐氏 アルテック 409-8E

 

 

 

 

樫村会長 フォステクスUP-220 3Way

 家電の世界では千本格子と呼ばれているそうですが、民芸家具調の力強い印象のキャビネットです。クロスオーバー周波数160Hzと6kHzのネットワークで3ウェイとなっており、帯域が広く透明感の高い音です。

3ウェイ構成なので、夏川リミの歌声がとても爽やかに聞こえました。また、民謡「たわら積み唄」では、太鼓と三味線の歯切れのいいバチさばきが気持ちよく表現されました。

 

 

 

 

  

樫村会長 フォステクス UP-220 (右はネットを外した状態)

 

 

 

 

2部 小澤先生による技術セミナー

 第2部は、「MJ無線と実験」誌に小型スピーカーの連載記事を執筆されている小澤先生による技術セミナーです。口径12cnのスピーカーユニットを使い、バスレフとQWD方式で音がどの程度変わるか比較してみました。バスレフの優しい軽やかな音に比べ、低音が豊かで線の太いQWDにはびっくりです。記事では特性図で想像するしかない音を、実際に聴いて確かめることができました。

 QWDのスピーカユニットをW3-825SCからFF85XEに交換したところ、さらに中音域が厚くなりジャズボーカル向きになりました。先生の解説によると、QWDはスピーカーの共振点周波数の音圧レベルがバスレフと密閉の中間のような特性となるそうです。トーンコントロール回路を使って低域の味付けをした場合、バスレフよりも低音のクセが出にくいとのこと。また、先生のスピーカーは小さな正方形の板にユニットが取り付けられているため、筒の上面に取り付けて無指向性にすることもできます。詳しい解説がMJ誌の2月号に掲載されているので、こちらも参照してください。

 

 

 

 

      

バスレフ(上)とQWDの聴き比      小型スピーカについて解説する小澤先生

 

 

 

 

3部 テープデッキの聴き比べ

  第3部はテープデッキの聴き比べです。昭和40年から50年頃にかけて、オープンテープはLPレコードと並んで音楽ソースの花形でした。今回の企画は、当時発売されていたミュージックテープを当時のデッキで再生してみようというものです。

 

 まず1番手はTELEFUNKENのmagnetphon A15です。このデッキは、1970年頃までノイマンのカッティングマシンの送り出しに使われていた。ゲバントハウスカルテットによるベートーベンの弦楽四重奏を再生しましたが、テープ特有のダイナミックレンジが広くスクラッチノイズのない音が会場に響きました。ちなみに、試聴に用いたミュージックテープは、昭和46年当時で2400円もしたそうです。現在の貨幣価値に換算すると、2万円ぐらいでしょうか。

 

 

 

 

TELEFUNKENのmagnetphon A15

 

 

 

 

 2番手はTEACのA7400-2Tです。石川晶とミッドナイトサンズが演奏する「Take Five」を試聴しました。なめらかに回るリールが、オーディオ全盛期だった当時を彷彿とさせます。バランスがよく歯切れのよい演奏は、さすがオープンテープです。

 

 

 

 

          

テープの頭出し中のTEAC A7400-2T (まだまた現役で活躍中です。)

 

 

 

 

 3番手はAKAIのGX-6300PRO-2Tです。こちらもオーディオファン憧れのテープデッキでした。かつて、オーディオメーカー主催の録音会なるものがあちこちで開催されましたが、客席にはこのようなオープンデッキがずらりと並び、なかなか壮観な眺めでした。残念ながらこのデッキは試聴中にプリアンプの不調で演奏を中止してしまいましたが、懐かしい記憶が頭の中を駆け抜けていきました。

 

 

 

 

          

AKAI GX-6300PRO-2T (中央)

 

 

 

 

最後はSTUDER C37です。LPレコードのマスターテープを作るときに使われていた装置で、ビートルズで有名なアビーロードスタジオでも同型機が活躍していました。増幅回路は真空管で構成され、中音域に重心がある柔らかい音質は他のデッキにはない特徴です。カーペンターズの曲を試聴しましたが、カレンの歌声に力があり、ビロードのような声の質感はLPレコード以上でした。

 

 

 

 

STUDER  C37

 

 

 

 

新年会

最後は隣の部屋に会場を移し、新年会の始まりです。今回も約50名ほどの方が新年会まで参加しました。フルートと箏の生演奏もあり、美味しい食事と美しい音楽、それに友との語らいで楽しいひとときを過ごしました。

 

 

 

 

  

 

 

 

次回の第43回作品発表会は、5月29日(土)に久喜総合文化会館小ホールで開催されます。また皆さんといっしょに、オーディオで盛り上がりましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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