「ジャズの聴き方楽しみ方V」

レコードコンサート

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

埼玉県民活動総合センターにおいて4回にわたって開催された “ジャズの聴き方楽しみ方V”講座は、その最終日の7月24日(日)に同センター内の小ホールに会場を移し、『魅惑のジャズ・サウンド2』と銘打ってLPレコードをメディアとするコンサートとして催されました。それまでの3回はCDをメディアとした講座でしたが、「最終回は当時の本物のLPを、同時代の真空管で再現し、当時の雰囲気を味わっていただきましょう」との狙いから準備されたものです。

わが彩球オーディオ倶楽部が協賛、ハード面での全面的支援を致しましたのでご報告します。

 

 

 

 

 

 

案内チラシ

 

 

 

 

 

 

200名余の参加者を見回すと、ご夫婦で参加されている方が少なくありません。

オーディオは金食い虫。奥さんを同じ舟に乗せることはオーディオにおいても趣味の世界共通の要です。

懐かしきジャズを、とりわけ高音質で鑑賞し、共に青春の思い出にひたるのは、同居人のより良き理解を深める好機でもあります。

 

 

 

 

 

 

 

会場全景@

 

 

 

 

 

 

 

 

解説は埼玉県深谷市にお住まいで、1937年生まれの関口秀雄さん。

小学生の時に米軍放送でジャズに開眼、以来60有余年にわたってジャズを聴きレコードを蒐集されました。

「一介のジャズファンの立場からジャズの楽しみを伝えたい」といわれます。1950年代のモノラルからステレオにいたるLP全盛時代から選曲、豊富な曲と演奏者の解説が刷り物として配布されました。

 

 

 

 

 

 

 

関口先生

 

 

 

 

 

 

 

ソニー・ロリンズがほぼ同時期に、一枚はニューヨークを本拠地にする「ブルーノート」で、もう一枚は西海岸ロスアンゼルスの「コンテムポラリー」を経て世に送り出した演奏があります。ジャケットを眺めながら再生した音をきくと、半世紀前に造られたLPであるにもかかわらず、東と西に分かれたそれぞれの雰囲気、製作者の熱い思いが伝わってきます。

 

 

 

 

 

 

Newk’s TIME The Contemporary Readers

 

 

 

 

 

 

 

Newk’s TimeBlue Note 84001,

Recorded Sept. 22,1957

 

The Contemporary Leaders

Contemporary S7564

Recorded October 20,21 & 22, 1958

 

 

 

 

 

 

ソニー・スティットが「チャリー・パーカーの再来」と言われるのを嫌い、ついにアルトを捨ててテナーに持ち替えましたが、パーカーの死後、呪縛から解かれたかの如く再びアルトに戻ったそうで、AB面でそれぞれの音色を楽しめる一枚など、改めて演奏を聴き直して見たくなる、興味の尽きないご指摘でした。

 

 

 

 

 

 

      Sonny Stitt

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sonny Stitt sits in with the Oscar

 Peterson TrioVerve 83441959

 

 

 

 

 

その他女性ボーカルを含め数枚のレコードの紹介があり約2時間半、演奏者の生い立ちと録音にまつわるエピソードをあたかもそこに居合わせたように、ユーモアを交えて楽しく解説していただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

演奏LP・曲A

 

 

 

 

良い音の再生とは、1にソフト、2にスピーカー、そして3、4、がなくて5にアンプとか申します。とは言え、倶楽部メンバーはどのような微妙な音の改善にも大いに力を注ぎます。

 

 

 

 

 

当日の設定は;

ターンテーブル:YAMAHA GT-750ダイレクト・ドライブ

カートリッジ:ステレオ Ortofon SPU-AE

        モノラル DENON DL-102

        MCトランス 会員手巻き型(磯貝朋之さん)

プリアンプ: MARANTZ Model-1150プリ部使用

メインアンプ:807PP 出力20W 会員自作(五十嵐昭さん)

      300BPP 出力15W 会員自作(予備機)

スピーカー: Altec 604-8Gエンクロージャ会員自作(安藤友一さん

 

 

 

 

 

 

レコードプレーヤーとプリアンプA

 

 

 

 

 

 

 

アンプが暖まり、お客様が席をうめる頃には客席側でチェックした音のバランス、音域の広がりはねらい通り。

会員(五十嵐昭さん)の手になるメインアンプは、MJ誌ライター松並先生の回路をもとに、昔無線機に利用した「807」を50年ぶりに活用したとのこと。UL接続で自己バイアス25V、プレート電圧345V、NFB9db〜17db可変、出力約20Wです。晴れの舞台でのびのびと性能を発揮しました。

 

 

 

 

 

 

 

807PPアンプ

 

 

 

 

 

 

 

LP操作(吉田幸吉さん)も終始スムーズに進み、休憩時間には舞台前の操作テーブルは熱心なお客様に囲まれました。LPならではの迫力、熱気の再現は成功だったようです。

 

 

 

 

 

聴衆の中にはしまい込んであるレコードを出してみる、レコード・プレイヤーの修理は、球の入手は等々、多くの質問が寄せられました。彩球オーディオ倶楽部にとっては、理想の施設で地域文化の担い手の人たちに至福の時を提供するお手伝いができる喜びに、大いに張り切りました。

素早くスピーカー等重量物を運搬、設置し、効率よく会場設定。終って素早い機器の撤収は会員一同の日頃の発表会経験のお陰です。

 

充実した時間を過ごし幸せな気分で会場から帰途につきました。

 

 

 

 

次回の講座・レコードコンサートは24年度に実施予定(期日未定)です。

(市川恵三記)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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